「この服をミシンで縫って作ってくれたのはどんな人だろう」
と、考えてみたことはありますか? 笑
多くのものが人間の手を借りず機械で作られる昨今にあって、洋服は、いまだどんなに安い服もすべてだれかの手で縫製されているのです。
極端に安い服は、開発途上国の小さな村で、賃金をギリギリまで削る犠牲を強いられて作られているかもしれません。
わたしが小さいころ、中部地方は繊維関係の問屋街、織物の産地として有名な土地でした。
うちの近所にも安い賃金で安物の服の縫製を引き受け、朝から晩までミシンがけの「内職」をしているおばさんたちがいました。
なので、今でも服の袖に手を通すとき
「この服はだれが作ってくれたんだろう」と考えてしまいます。
特に極端に安い服を買ってしまったときは、枚数をこなさないと生活ができないとぼやいていたあの頃のおばちゃんを思い出し、今はどこの国のだれがこの仕事を引き受けているんだろうと思いを馳せちょっと胸が痛みます。
知り合いのモデルさんは、一流ブランドの流行を毎週いち早くコピーし価格破壊としかいえない値段で服を大量生産し大成功している世界的企業の広告の仕事をしたことがあるそうです。
が、その際、その会社の下請け工場での悲惨な労働条件を知ることになり、以来その会社の商品は買えなくなってしまったと言っていました。
わたしには痛いほど彼女の気持ちが理解できます。
でも、娘たちにそれらのブランドの服は買うなという気はありません。
今回の旅行中、娘たちとわたしの楽しみのひとつはお買い物でした。
スペインは、みなさんもご存知、あのZARA 、Mangoの本社があります。
ZARAの社長さんはフォーブスによると世界3位の大金持ちだそうな。
有名ブランドのファッションを参考にデザインし、しかも驚くほどお値打ちなお値段で提供しているんですもの、ウケて当然。
加えて、北欧に本社をもつあの驚く値段の会社のお洋服もセレクションがツボをわきまえていて、娘たちが通いたくなる気持ちも分かります。
が、ファッション大好きのサスキアちゃんいわく、
「すごく安い服は一度洗うと素材の風合いが変わってしまいもう着られないことが多い。どんなにていねいに水で手洗いしてもダメ」
だからそれらのブランドでは、ちょっと冒険したい2、3回で飽きてもいい服やワンシーズンでダメになってもいいタイプの服だけを買うのだそうです。
安い賃金で、サスキアちゃんたちにワンシーズンで使い捨てされるそれらの服、ついそれを縫っている人たちのことを思ってしまいます。
安い服でも、それなりの値段の服でも、1枚ずつの縫製にかかる手間はそれほど差があるわけではありません。
けれど、あまりいい条件とはいえない縫製工場で働く人たちが、近い将来子供にはもっといい教育を授けたくてがんばっているなら、服を買うことで彼女たちを間接的に応援することになりそれもいいかな、と思います。
そんな気持ちを1枚1枚の服にこめて見てしまうため、Rish NY/リッシュ・ニューヨークで扱う服は、その会社が工場とどんな関係を築いているのかまで気になってしまいます。
どうせなら、工場の人たちを大切にしている会社と取引したいと考えます。
Bella Tu
大好評をいただきましたこのブランドは、ティファニーのエグゼクティブだったジーニーがパートナーと立ち上げた会社です。
商品はすべてインドで作られたフェアトレードの製品です。
布を染めるところから始め、あの息をのむ緻密で美しい金や銀の刺繍や判をほどこすところまで一貫して一カ所で作っています。
このたびたくさんのみなさんにご予約いただいた商品が遅れてお待ちいただくことになってしまいました。
多大なご迷惑をおかけしてしまいましたことを深くお詫びいたします。
実は、今年はモンスーンの雨期が長く、その期間中布を染められなかったのだそうです。
ジーニーはインドの会社をとても大切にあつかっていることが取引をしていると伝わってきます。
また、仕上がりを見ていただければ1枚1枚、本当に心をこめて高い芸術的レベルで作られていることはご理解いただけると思います。
夏服とはいえ何シーズンも大切に着たくなるクオリティの服を一人でも多くの方にお召しいただきたく、Rish NY/リッシュ・ニューヨークではお値段ギリギリでがんばって提供してきました。
こちらの服をご予約くださったみなさま、間もなくお手元に届きます。
リッシュからの心をこめたお詫びのお品と共に。。。。
たかが服、されど服です。
わたしの服にこめた思い、みなさんに少しでも伝わったらうれしいなぁと思いながらお洋服を買い付けています♡